お香は体に悪い? 作っている私が答える、煙と赤ちゃん・ペットのこと
お香は体に悪いのか。お香を作っている私にとっても、他人事ではない問いです。
先に私の答えを書きます。お香も火を使って燃やすものなので、煙がまったく体に影響しないとは言えません。そのうえで、何で作られたお香を、どれだけ、どんな部屋で焚くか。ここでずいぶん変わる、と考えています。原料のわかるものを選び、窓を少し開けた部屋で一本ずつ焚く。私がすすめるのは、そういう焚き方です。
煙には何が含まれているのか
ものが燃えると、目に見えない細かな粒子や、いくつかのガスが出ます。これはお香に限った話ではなく、焚き火でも、台所のコンロでも同じです。
お香の煙についても、細かな粒子や、発がん性が指摘される物質が含まれることを調べた研究報告があります。とくに、換気の悪い場所で長い年月、大量に焚き続けることと呼吸器への影響を結びつけた報告もあります。お香を作る身として、ここは隠さずに書いておきたいところです。
裏を返すと、気をつける点ははっきりしています。煙を部屋にこもらせないこと。一度にたくさん焚かないこと。
何で作られたお香なのかを確かめる
「お香って天然素材でしょう?」とよく言われます。実際には、化学香料で香りをつけたものが少なくありません。燃やして吸い込むものなので、私は原料が書かれているかどうかを、まず見てほしいと思っています。
私のお香は、化学香料、着色料、防腐剤、燃焼剤、凝固剤、アロマオイルの6つを使わずに作っています。これで体への影響がゼロになるわけではありません。ただ、何を燃やしているのかが、自分でわかる。それが選ぶときのいちばんの手がかりになると思います。
煙を多く出すように作られた逆流香のような形は、煙そのものを楽しむためのものです。部屋に煙がたまりやすいので、使うならいっそう換気を気にかけてください。
毎日焚いても大丈夫か
私は朝の仕事前と夜眠る前に、15分ずつ火の揺れを見ながら座ります。毎日のことです。
毎日焚くなら、気にしてほしいのは本数と空気です。焚くのは一本。窓かドアを少し開けて、空気の通り道をつくっておく。焚き終わったら、もう一度しっかり入れ替える。眠る前には、火が消えたことを必ず確かめてください。
火のつけ方も関係します。先端に火を移したら、炎は手であおいですぐに消してください。細い煙が一筋立てばそれで十分で、炎のまま燃やすと焦げた匂いが混ざります。
赤ちゃんがいる家では
赤ちゃんの体は小さく、呼吸も大人より速いと言われます。私なら、赤ちゃんと同じ部屋では焚きません。別の部屋で焚いて、よく換気してから過ごす部屋に戻る。それくらい慎重でいいと思います。
気になることがあれば、かかりつけの小児科の先生に聞いてください。香りの好き嫌いより、そちらを優先してほしいところです。
犬や猫、鳥と暮らしているなら
鳥は呼吸器がとても繊細な生きものです。鳥のいる部屋では焚かないでください。
犬や猫と暮らしている場合も、煙が直接かからない場所で、短い時間にとどめるのがいいと思います。部屋から出ていこうとしたり、落ち着かない様子を見せたりしたら、すぐに火を消して窓を開けてください。人より鼻のいい相手なので、様子がいちばんの目安です。
頭が痛くなったら、すぐに消す
お香で頭が痛くなったり、気分が悪くなったりする人はいます。香りの強さか、原料か、部屋の広さか。原因はいくつも考えられます。
合わないと感じたら、無理に続けずに火を消して、空気を入れ替えてください。原料が書かれていないお香では、何が合わなかったのか確かめようがありません。次に試すなら、中身のわかるものを、窓を開けた部屋で一本だけ。
お香は、なくても暮らしていけるものです。だからこそ、焚くなら気持ちよく焚いてほしい。私が作っているお香は、こちらにあります。換気のしかたはお香を焚くときの換気の記事にも書きました。