桜色とは。名前の由来と、桜にまつわる色の種類
桜色とは、桜の花びらのような、ごく淡い紅色のことです。真っ白でも真っ赤でもない、あの淡さに、桜という名前がついています。
桜色に近い、桜にまつわる色の名前
日本には、桜色に近い色にもそれぞれ名前がついています。
- 桜鼠は、桜色に灰色を重ねたような、落ち着いた色です
- 灰桜は、桜色と灰色のあいだくらいの色です
- 薄桜は、桜色よりもさらに淡く、白に近い色です
同じ桜色でも、微妙な違いに名前をつけて呼び分けてきたということだと思います。
色の名前だけでなく、色の重ね方にも名前がつけられてきました。平安時代の装束には「桜襲」と呼ばれる重ね方があり、表地に白、裏地に紅を使うことで、透けるような桜色を表したと言われています。
なぜ桜色という名前がついたのか
桜色ということばは古く、平安時代の古今和歌集には、衣を桜色に深く染めて、花が散ったあとの形見にしようと詠んだ歌が残っています。
千年以上前の人も、散ってしまう花の代わりに、色だけは手元に置いておこうとしたわけです。
着物や和菓子に使われてきた色
桜色は、春の着物や帯、和菓子の色としてよく使われる色です。桜そのものが咲く期間は短くても、色の名前だけは一年を通して使えます。
和菓子屋の店先でも、桜色の生地に塩漬けの葉を添えた和菓子を見かける時期があるものです。色の名前には、季節を思い出させる働きがあるのだと思います。
桜以外にも、花や植物の名前がついた色は多くあります。梅の花に近い色は梅鼠、藤の花に近い色は藤色と呼ばれます。花そのものより先に、色の名前だけを覚えている人も多いはずです。
桜が短い時間で散ることと、色の名前
桜の花は、咲いてから散るまでの時間が短い花です。その短さのぶん、色にも名前をつけて残しておきたかったのではないかと、私は思います。
お香を焚くと、煙は立ちのぼって、しばらくすると見えなくなります。桜の花が短い時間で散っていくのと、どこか似ている、と私は思うのです。
私が作っているお香はこちらにあります。似た言葉については木漏れ日の記事、季節の暦については二十四節気の記事にも書きました。