ラベンダーのお香とは|木ではなく花から生まれる香り
ラベンダーは、白檀や沈香のような香木ではありません。地中海沿岸で育つハーブの一種で、お香の世界では少し毛色の違う香りです。ここではその違いと、ヨーロッパでの歴史について書きます。
香木ではなく、ハーブの香り
白檀や沈香、檜は、木そのものに香り成分を持つ香木です。一方でラベンダーはシソ科の植物で、花や葉に含まれる香り成分を利用します。乾燥させた花を焚くか、精油を香りのもとに練り込むかたちで、お香に使われます。
香木が何十年もかけて育った木を使うのに対して、ラベンダーは一年で花をつける草花です。そのぶん、手に入りやすく、暮らしの中で身近な存在であり続けてきたのだと思います。
ヨーロッパで愛されてきた歴史
ラベンダーという名前は、ラテン語で「洗う」を意味する言葉に由来すると言われています。古代ローマでは、湯浴みの際にラベンダーを使う習慣があったのだそうです。
ラベンダーは、地中海沿岸を中心にヨーロッパで古くから育てられてきた植物です。乾燥させた花を布の袋に詰めて、衣類の引き出しに入れる香り袋の文化が、各地に昔からあったと言われています。虫よけを兼ねた暮らしの知恵として、香りが役立てられてきたのだと思います。
香水やアロマオイルの原料としても知られていますが、花そのものを焚いて香りを楽しむという使い方は、香木の文化とはまた別の系譜から来ているものです。
ラベンダーの香りの印象
ラベンダーの香りは、フローラルで少し甘さのある、涼やかな印象です。木の香りに慣れている方には、軽く感じられるかもしれません。香木の重さとは対照的な、風通しのいい香りだと思います。
焚くときに気をつけていること
火のつけ方の基本はこちらに書きました。ラベンダーは香りが軽いのでこもりにくいお香ではありますが、窓を少し開ける習慣は変わらず大切にしてみてください。
香木の香りについては白檀の記事にも書きました。お香全体の選び方はこちらにまとめています。私が作っているお香は、こちらにあります。