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暮らしと贈りもの

秋分の日は2026年9月23日。お彼岸の線香を、香司はこう焚きます

2026年の秋分の日は、9月23日です。昼と夜の長さがほぼ同じになる日で、この日をまん中にした前後3日ずつ、9月20日から26日までの7日間が秋のお彼岸にあたります。

お墓や仏壇に線香をあげる方が、一年でいちばん多くなる時期のひとつです。お香を作っている私から、その一本をきれいに焚くための小さなことを書いておきます。

お彼岸が秋分と春分にある理由

秋分の日と春分の日は、太陽がほぼ真東から昇って、真西に沈みます。仏教では、亡くなった人が行く極楽浄土は西の彼方にあると考えられてきました。太陽がまっすぐ西へ沈む日に、向こう岸にいる人を思う。それがお彼岸の始まりだと言われています。

秋の祝日としての秋分の日も、祝日法では「祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ」日と定められています。

暑さ寒さも彼岸まで

彼岸を境に夏の暑さがやわらぎ、空気が入れ替わっていく。昔からそう言われてきました。

天気の話は、お香づくりと切り離せません。お香は練った生地を細く形づくり、乾かして仕上げます。この乾かす工程が、いつも天気との相談です。湿気が多い日は曲がりやすく、乾きすぎると割れてしまう。まっすぐな一本は、その日の空気がつくっているようなものです。

だから季節の変わり目の空気には、どうしても目が向きます。

火をつけたら、炎はすぐに消す

線香でもお香でも、火の扱いで香りは変わります。ここがいちばん伝えたいところです。

先端に火を移したら、炎は手であおいで、すぐに消してください。細い煙が一筋立てば、それで十分です。炎のまま燃やしておくと、焦げた匂いが香りに混ざります。せっかくの香りが、焦げの匂いに負けてしまう。

仏前では、口で吹き消さずに手であおいで消すのが作法とされています。息で消すより、手で静かに扇ぐほうが、灰も飛び散りにくい。作法と理屈が、ここでは同じところに落ち着く。

本数や立て方は、家ごとに違っていい

線香を何本あげるか、立てるか寝かせるかは、宗派や地域によって違います。私が決められることではありません。

迷ったら、お寺の方やご家族に聞くのがいちばん確かです。その家で続いてきたやり方があるなら、それがその家の正解だと思います。

夜が、少しずつ長くなる

秋分を過ぎると、夜のほうが長くなっていきます。

私は朝の仕事前と、夜眠る前に、15分だけ火の揺れを見ながら座ります。特別なことはしません。灯りを落として、一本に火をつけて、煙が細くなっていくのを見ている。それだけです。

日が短くなるこれからの季節は、その夜の15分が始まる時間も、少しずつ早くなります。

今年のお彼岸は、一本だけでいいので、ていねいに火をつけてみてください。炎を消して、煙が一筋になるまで待つ。それだけで、同じ線香でも香り方がずいぶん違って感じられるはずです。

季節ごとの暮らしについては二十四節気の記事にも書いています。私が作っているお香は、こちらにあります。

気になる香りを、暮らしのそばに。

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